■ Pocoのライヴレポート



■ July 28, 2004, The Mill, Spring Lake, NJ U.S.A.

 前回、Pocoを見に渡米してから3年、Jim Messinaが数年ぶりにライブ活動を再開する、という記事を発見。 Road Atlas
カレンダーと、すでにmy必須アイテムと化している"Road Atlas & Vacation Guide United States/South Canada"を見比べながら、できるだけたくさん、大好きなミュージシャンに触れられる日程を考える。
その結果、itinerary はこんな感じ。
7月27日 ニューヨークからアメリカ上陸
New Jersey州のSpring Lakeへ南下しJimのライブ
7月28日 同じ場所にてJimのライヴ2晩目
7月29日 北上しMassachusetts州のSpring FieldでPocoのライブ
7月30日 東へ向かい有名な観光地Cape Cod のEast FalmouthにてPocoのライブ
7月31日 Boston空港よりCalifornia州San Diegoへ移動
(アメリカ大陸斜め横断6時間時差4時間のフライト)
8月 1日 San DiegoのHumphrey'sでJimとRichie Furayのライブ
8月 2日 San Diegoより東京へ向かい翌日に日本へ到着

  JimのThe Millのライブのチケットは、電話のみの受付だった。時差を考えて何度か電話をしてみたが、聞いていたようになかなか繋がらない。しかたがないので、The Mill のサイトに載っていたメールアドレスにメールを送り、なんとかチケットの確保を確約させた。
Jimの二晩を予定していたライブのうち、27日の分がキャンセルになったという連絡は、出発の1週間ほどまえに、メールで受け取った。正直がっかりした、というより、28日のライブは予定通り行われる、ということに安心したほうが大きかった。27日の昼にJFK空港に着く飛行機を予約していたのだが、3時間に1本しかない New Jersey Transitという電車・ローカル線にうまく乗れるかどうか、少し心配だったから。
The Mill   だから、27日はゆっくりと移動し、現地のPoconutsに会って、食事をし、長旅の疲れをいやすことができた。28日は、雨であったが、Spring Lakeの街や大西洋のビーチを散歩し昼まの時間をつぶした。あとで、Jimがライブのときに言っていたが、「New Jerseyは夜しか来たことがなくて、昼間来たのは初めてだったけれど、こんなにきれいなところだなんて、知らなかった」。。
  どうやら、昨晩のライブがキャンセルになっても、当初の予定どおりやってきて、のんびりとこの地で数日を過ごしたらしかった。New Jerseyというと、私たち日本の旅行者はNYのマンハッタンの対岸の町としか認識がなく、なんとなく汚いところ、というイメージしかもっていないようであるが、実際マンハッタンから南下すると、まっすぐにどこまでも伸びた大西洋の海岸線が続き、NYにも、DCにも、フィラデルフィアにも近い、という利便さもあり、ミドルクラス以上の人がオールドスタイルの家を新築して住んでいるという場所のようであった。
   ライブはサパークラブ形式、7時からディナーが始まり、9時からがライブ。ディナーの料金も含めてUS$90。受付で名前を告げると、通されたのは、一番前のステージに向かって右がわ、8人がけのテーブルであった。にぎやかな現地人オーディエンスに囲まれて、ちょっと窮屈な長いディナータイムが終わると、Jimの登場。Anatra & Delilahという女性コーラス2人を従えて。91年の来日以来だから、13年ぶりだ。歳月の流れを感じさせる。目の前で正真正銘、世界でいちばん大好きなアーティストがこれから歌ってくれる、という気持ちの高ぶりに酔う。ああ、来て良かったな。幸せだ。知らないところで、知らない人に囲まれていても、彼の歌は、すべての不安を吹き消すほどの力を持っている。私には。
  最初の曲は、Follow Your Dreams、Jim がとてもこだわりをもって歌っている曲に思える。2曲目、3曲目のHouse at Pooh CornerとDanny's Songは、L&MのKenny Logginsの曲で、ファンサービス。92年のNHK BSのライブと同じように「リクエストされた」と語っていた。
最初のころは、ちょっと、高音がきつそうな気がしていた。4曲目Watching The River Runのあとは、もうすぐ14歳になるという一人息子の話し、子供のことを歌う歌を2曲。このあたりも、NHK BSのライブと同じ感じだ。Pocoをやめたのだって「結婚したばかりでツアーに出たくなかった」説があるくらいだから、Jimの「家族」というものに対する思い入れの強さは、今始まったことでは無い様子。
Jim singin'
  続くKind Womanの後、先ごろDallas, Texasでイベントがあり、そのときにRichieにあって、また一緒にやりたいね、という話で盛り上がったと言っていた。San Diegoのコンサートがすごく楽しみだ。
懐かしい、Baffalo時代のCare Free Country Day、続いて新しい曲Anglers & Wranglersをやったあと、チューニングタイム。そして、Travelin' Bluesからは、L&M時代の曲が続くことになる。
Be Free、Keep Me in Mind、Changes、Angry Eyes
いずれも、凝ったアレンジで聞きなれていたL&Mの代表曲だったナンバーが、謙虚なストリングスのような女性コーラスとギター1本だけで、すごい存在感を持って演奏されていく。あらためて、Jimのすごさを実感。まさしく音楽家なんだ、と思った。
Jim drinkin'   1回目のアンコールは、実はPoco時代の曲、来日時のライブでも演奏をしていた、Sinner & Saints とYour Mama Don't Dance途中2コーラス目からは、オーディエンスとの大コーラス。とくに掛け合いのところなんて、まさしく70年代を過ごしてきたアメリカ人の集合体というわけで、みなさんよく歌詞を覚えていらっしゃる。
  2回目のアンコール、She's Got to Rockのあと、Peace of Mindをじっくりきかせてくれて計19曲。じっくりゆっくり、とても気持ちのよい時間だった。
  きれいなワープロ打ちのセットリストは、たくさんコピーがあってロードの人が私のリクエストに答えて、惜しげもなく1枚いただけた。見てみたら、1曲たがわず予定通りの進行だった。始まる前にチューニングをしていたスタッフに、"Thinkin' of you" を歌って、ってお願いしておいたのだけれど、それは無理だったみたいだ。 Setlist
  別に販売グッズがあったわけでもなかったけれど、終わってから入り口近くにテーブルがあつらえられ、サイン会が始まった。ファンひとりひとりに丁寧に応じ、手持ちのものにサインをしていく。気さくな感じがまた素敵、と近くから眺めていて、最後に観客がまばらになるころ声を掛けた。あなたに会うために、昨日日本から来たの。うれしそうに私の名前を聞いてきて、セットリスト、日本から持っていった3枚のCDそれぞれに、my name入りのサインをもらった。Oasis には帯がついていた。何て書いてあるのか、と聞かれたので、カタカナ読みで「オアシスジミー メッシーナ」と読んだら、まるっきりわからない様子だった。Watching the River Runのジャケットには、Jimの一人息子のJulianの3歳のときの写真が載っている。まるで久しぶりに見た様子で、うれしそうに隣にすわっていた、Anatraにその写真を見せていた。
  New Albumのことは考えている、と言っていた。そうなれば、来日もあるかもしれない。最近いろいろと出来てる、ちょっとソフィスティケイトされた感じの東京のライブハウスにぜひ出演して欲しい、と思った。feeは高いから、大枚はたくことになるだろうけれど、私は毎晩毎回何度も通うことになるだろう。
San Diegoで再会することを話して、握手してもらった。
  今が70年代で、Jim も私もあと30年若かったらどうだったかな。そんなころに会いたかったな。けれど、きっと今だから、今までの彼の30年間の音楽を私は知っているから、だからこそ30年分の充ち足りた空気に浸れるんだろうと思って、夜の The Millを後にした。雨はすっかりあがっていた。

おまけ:
  宿泊していたB&Bは、The Millから歩いて20分ほどのところにあった。住宅地を通って行くので、昼間はまったく問題が無いのだけれど、やはり夜は怖い。お店の人にタクシーを呼んでもらった。しばらくして、1台やってきた。そうしたら、そのタクシーはさっきまでディナーの給仕をしていたウエイターが制服のままさっさと乗っていってしまった。
  あれ?私が呼んでもらった車じゃないのかな、と思いながらもうしばらく待ったが、タクシーは来ない。店の人も少しづつ帰り支度を始めている。もう一度タクシーを呼んでくれ、と頼みに行くと、駐車場で車の整理をしていた、学生のような若い男の子がB&Bまで送ってくれるという。日本からライブを見に来た、と言ったらやたら”Cool”を連発された。
  店のカウンターでは、TVがヤンキースタジアムの試合の様子を映し出していた。バックネットの大きな看板が日本語だった。
Thanks to John Kormos for photos of artists. Antara Blasius & Delilah Poupore
つづく・・・



(All Text & photo by Ojai_girl)



INDEX NEXT