■ Pocoのライヴレポート



■ Sept. 21, 2000, The Sun Theatre, Anaheim, CA U.S.A.

  場所はオレンジ・カウンティのアナハイム。巨大なコンベンション・センターとディズニーランドが目玉であるこの観光地から程近く、豪華なホール「The Sun Theatre」があります。
この場所で9月21日(木)にLittle FeatとPocoのライブが行われる情報は日本にいる時から掴んではいたものの、深夜までかかるであろう仕事のおかげで「まず無理だろうなあ」と諦めかけていたのですが、ライブの時間が偶然夕食の時間帯と重なったおかげで"夢の"単独行動が実現しました(そんな大袈裟なもんじゃないんですが・・・)。

事前に、本場米国ライブ事情通のキーノさんからいただいた情報で場所を確認、滞在していたヒルトンホテルから車で約15分のところに目的の「The Sun Theatre」がありました。
既に開演時間の午後8時30分を回っていたため、タクシーの運転手を急かせた上に物凄く焦っていた私は、チケットも買わずにゲートに突進、受付のブロンド姉さんに「ダメよ、あっちで買ってきてネ」なんて笑われてしまいました(汗)。

正面ゲート ← その大きさに驚かされる立派なゲートと見事にライトアップされた全景、いかにもアメリカ的・・・ エントランス
広いエントランス上部にはお目当てである当日の出演者名が燦然と輝いていました →

LITTLE FEAT / POCOチケット 会場内の音が外へもれてくる正面ゲートから、$20紙幣を2枚握りしめた私は右手のボックス・オフィスへ走りました。「大人一枚!」と売り場のお姉さんに伝えると「$25と$35の席があるけどどちらがいいかしら?」
「$35に決まってるでしょ!」と叫ぶ私に「お一人だったらイイ席があるわよ」と言って渡されたのが左写真のチケット。よく見ないまま、再びゲートからエントランスへなだれ込むと館内正面にいきなり大きなミール&バー・カウンター(下写真)がありました。
飲み食いのことは全くアタマになく、そのまま会場内へ直行、インカムをセットしている案内係のお姉さんにチケットを見せて「僕の席何処ですか?」と尋ねると「こちらへどうぞ〜」。
言われるままについていくと、ありゃりゃ、前から2列目、おまけになんとラスティとポールの真中、超ラッキー!
ミール&バー・カウンター
ひとつのテーブルに椅子が8席、まず隣に座っているKONISHIKIのようなヲヂさん(サンディエゴから来たとのこと)が注文していた食事の量(皿の数)に圧倒されてしまいました。

さて、いよいよPocoのライブです!

RUSTY'S LAP STEEL SOLO 2対バンのライブではありますが、メインはLittle Feat、私のお目当てであるPocoはあくまでもオープニング・アクトでした。
が、そんなことはどうでもイイわけで、私が席につく前からステージではラスティ・ヤングのラップ・スティール・ソロで場内騒然。10年前の日本公演でも観ることができましたが、客席の目の前に座り込んでのプレイ(左写真)は圧巻です。
隣のヲヂさんがハンバーガーにかぶりつきながら私に「よう!」と声をかけてきたので、「すみません、これ何曲目ですか?」と聞くと「ん〜、3曲目いや4曲目かな?5曲目だったかなあ〜、よくわかんねえなあ〜、はっはっは」(たはは・・・^_^;)

「じゃあ何演ったんですか?演奏した曲おしえくださいよ」とヲヂさんに尋ねると、
「ん〜、あれだよお〜、なんだ、あ〜、よくわかんねえなあ〜、わっはっは!」
(とほほ・・・、ダミだこりゃT_T)

延々と続くラスティのラップ・スティール・ソロが終わると、(当り前ですが)場内割れんばかりの拍手喝采。総立ちとなるので、身体の大きさで不利な私は、ステージが見えなくなってしまいます。でも落ち着くとみんな座ってくれますけどネ。 A GOOD FEELIN' TO KNOW
  さて全員にスポットがあたり、ステージをよく見ると、メンバーは、おおっ、4人だけだ!立ち位置は下手側からポール・コットン、ジョージ・グランザム、ラスティ・ヤング、ジャック・サンドル。次の曲の準備でポールとラスティがストラトを抱え、いきなり4人が歌い出したのは「A Good Feelin' to Know」、観客(含私)は「イエ〜ッ!」感涙でした。リッチー・フューレイがいなくても、やはりこれはハズせないっす!

KEEP ON TRYIN' そして、全員合唱の後、ポールがゴダンを、ラスティがタカミネのエレアコに持ち替えました。すると「あれっ?ジョージは?」と白々しいラスティのMC。
いつの間にかジャックが上手の袖に引っ込み、代わりにジョージがマイクの前にいるのです。
ううう、ひょっとして・・・、もしや?まさか?

そうです!何と3人で「Keep on Tryin'」を歌い始めたのです!あれ〜っ、ティモシーの曲を・・・、と聴いていると、ティモシーのリード・パートをラスティがすべて歌っているではありませんか。ポールのバリトン、ジョージのテナーはまさにPoco以外の何物でもなく、その絶妙のハーモニーはいまだに健在でした。
そしてお約束(?)通り、ジャックが戻って彼らの最大のヒット曲である「Crazy Love」。さすがにアメリカ、恐ろしいほどの反応です。笑ってしまったのは、サビの部分をアカペラで観客だけに歌わせるという何ともPOCOらしからぬ趣向でしたが、私も隣のオジさんと一緒に大声を張り上げて歌っていたのは言うまでもありません(笑)。
場内が一体(?)となった後、ジャックがベースを置いて、うしろにあったペダル・スティール・ギターを持ってセンターにセットしているではありませんか(ジャックはボーヤ?)。おおお!まさしくCARTERの10弦ダブル、ラスティのメイン・スティールですが、カラーはグレー、ネックはアルミ製。予想された通り、次の曲は再びストラトを手にしたポールの「Heart of the Night」、さすがに太いポールの声は上手くて渋くって場内に響き渡ります。ギターもこれがまたカッコいいっす。メンバー紹介の後、今度はラスティのペダル・スティール・ソロ、ついに出ました!十八番の荒業「斜め弾き」!

RUSTY VER.1 RUSTY VER.2 RUSTY VER.3
いよいよソロです、最初は深く椅子に座っておとなしく弾いているラスティですが・・・
徐々に盛り上がってくると、少しづつ後ろからスティールを浮かせてくるのです。
こうなると、もうペダル・スティールとは言い難いでしょう(笑)、誰にも止められません。

タカミネのエレアコを倒してしまうほど派手に動き回るラスティのソロで盛り上がり、場内が最高潮に達したところでメドレーとなっていた最後の曲「Boomerang」。時間の関係で、鳴り止まない拍手とアンコールの声に応えてくれなかったのは残念でしたが、いつまでも興奮状態の私でした。

さてPocoの演奏が終わり、ここで転換、しばしの休憩となります。同じテーブルに座っていた人達はとてもフレンドリーで、私が持参したデジカメや時計やカバンに興味があるらしく盛んに話しかけてきます。中でも立派な白髭をたくわえたおじいさんがとても一生懸命で、彼の「どこから来たの?」という問いに「東京からですよ」と答えると、そのおじいさん(マークさん)は「ホント?(後ろへ向かって)お〜い、こっち来いよ〜」と友人を呼び寄せたのです。何とやってきたのはどう見ても日本人、その人は「いや〜、ここで会う日本人は初めてですよ」といいながら、お互い自己紹介。聞けば同伴されていたアメリカ人の奥さんとLAで暮らしているカルロスさんという方で、日本の音源(主に帯付のLP)を米国に輸入する仕事をしている、とのこと。以前はミュージシャンであったというカルロス氏は、大のFeatフリークで、西海岸でのライヴは欠かしたことがないそうです。アナログ的な出会いもまた楽しかりけり、ってとこですかな。

さて、ライブといえばもうひとつのお楽しみ「関連グッズの即売ブース」チェックです。

LITTLE FEAT'S BOOTH あまりに豪華なLITTLE FEATのブース(左写真)と比べて、POCOのブース(右写真)はちょっと寂しげ・・・ POCO'S BOOTH
でも、どこかで見たことがあるようなLEGENDをテーマにした2種類のTシャツは結構人気がありましたヨ。

Linda ブースでは、Tシャツの他に、ポールのソロ・アルバム「FIREBIRD」が販売されていました(これはNETで入手済み)。 PRICE LIST
当然のことのように、私も列に並んでお土産(Tシャツ)を購入しましたが、ブースを担当していたリンダ(写真左側)に「2枚買うからコレちょうだい」といって貰ってきたのが右写真のプライス・リスト。さすがにこんなモノ欲しがる人はいないですネ(苦笑)。

リンダとの話に夢中になっていると、もう午後10時を回っていました。「う〜ん、ヤバいな」と思いつつ席に戻るとセッティングがほぼ完了しています。こうなると時間との戦い、Little Featを何曲聴けるのかだけが気がかりでしたが、さらに待つこと10分。結局1曲目が始まったところで会場をあとにすることになってしまいました。Featのファンだったら、ここで帰るなんて言語道断でしょうけど、乗ってきた馬車がカボチャになってしまっては大変です。「Featは日本でもライブがあるんだ」と自らに言い聞かせつつ、周囲に挨拶をしながら、後ろ髪を引かれる思いで出口に向かったのです。 Little Feat

Mr. Mario ふと冷静になって考えると、まだ帰りの足を確保していないことに気がつきました。いくら田舎の観光地でも、ここはアメリカ、夜遅い時間に数マイルの距離を一人で歩いて帰るのは無謀そのもの。行きのタクシーの中で、ビジネス・カードをもらったことをすっかり忘れていた私は、あわててタクシー会社のフリーダイヤルへ電話をかけたのですが、「10分でまいります」との返事。お迎えが来るまでの25分(遅いっ!)の間、ゲートのガードマン、マリオ氏(左写真)が話し相手になってくれました。オープンした1年半前からずっとこの仕事をしている彼も「君みたいに一人でここに来る日本人は、あまりいないよ」と言っていましたが・・・、ふとキーノさんの顔が浮かんだ私です。


なにはともあれ、興奮冷めやらずホテルへ戻って仕事を再開した私ですが、業務上のトラブルもあって、この日ベッドへ横になったのは、午前5時ちょっと前、身体はボロボロでヘトヘトに疲れてはいましたが、顔だけは緩みっぱなし、妙な満足感を味わったLAの一夜でした。

(All Text & photo by mameo)



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