■ Pocoのディスコグラフィー



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■ Keeping the Legend Alive (2004)

Keeping the Legend Alive

Disc #1 (CD)

01. Where Did the Time Go
02. Keep on Tryin'
03. Crazy Love
04. Pickin' Up the Pieces
05. Bad Weather
06. Call It Love
07. Let's Dance
08. Magnolia
09. You'd Better Think Twice
10. Spellbound
11. Indian Summer
12. Kind Woman
13. Rose of Cimarron
14. Ride the Country
15. Good Feelin' to Know
16. Heart of the Night


Disc #2 (DVD)

01. Where Did the Time Go
02. Keep on Tryin'
03. Crazy Love
04. Pickin' Up the Pieces
05. Bad Weather
06. Call It Love
07. Let's Dance
08. Magnolia
09. You'd Better Think Twice
10. Spellbound
11. Indian Summer
12. Kind Woman
13. Rose of Cimarron
14. Ride the Country
15. Good Feelin' to Know
16. Heart of the Night
17. Gettin' Ready
18. Interviews
19. Lots of Pictures
20. Credits
21. Song by Song

■ アルバムレヴュー

 本作は、PocoのライブDVDリリースのために企画され、一般向けには300席のチケットが$20で販売されたショウの模様を収録したもので、実際にはDVD+CDというファンにとってはうれしい形でのリリースとなってます。
 当日のチケット価格の安さもさることながら、アルバム自体も$17を切る(amazon.co.jpで\1,700を切って買えた)というコストパフォーマンスの高さには文句のつけようがありません。
 CDとDVDの演奏曲目に違いはありませんが、DVDにはコンサートの進行そのままに曲間のコメントも収められている他、いわゆる映像特典としてメンバーのインタビューなども収められ、ファンにはマストアイテムのひとつといえるでしょう。(同じ内容で、"Crazy Love:Ultimate Live Experience"としてDVDも発売されているとのこと。)
 さて、このショウには当初よりRichieの参加が伝えられていましたが、この数年間のPocoのショウはRichieとのジョイントやゲスト参加などもあったことから、ごく自然の成り行きなのでしょう。
 しかしながら、今回のRichieのフィーチャーは、現在進行形'Runnning Horse'Pocoが、その走りを一旦休めることを意味していました。演奏曲にTimothyやJimの曲を取り上げる一方、この時点での最新アルバムからは1曲の選曲もなく、現メンバーのJackがひたすらサポートに徹している姿は、Richieが元気にフロントに立つ姿との対比で、少なからず複雑な気持ちを感じました。
 そうは言っても、'FOUNDING FATHER' Richieの登場は、やはりPocoの歴史において重要なポジションを占めているという事実は疑う余地はなく、結果として本アルバムがもうひとつの進行形として示し得るフォーメーションであることも否定する理由もありません。
 現実に手元に届けられた'Runnning Horses'...Rusty,Paul,George,JackにRichieを加えたラインナップによる演奏は、映像からも見てとれるように、とてもリラックスした演奏をしていますので、まずは彼らの「瞬間」を理屈抜きで素直に楽しむのが一番なのでしょう。見れば見るほど、聴けば聴くほど、来日の期待を一層高めるアルバムです。
 収録曲は16曲(一部メドレー)、リードボーカルもRusty,Paul,Richieの3人でほぼ分け合ってます。Georgeのバックアップボーカルも曲の節々で重要なパートを担い、Jackのバッキングがバンドのバランスを保っています。もちろんRustyは、曲ごとにギター、ペダルスティール、ラップスティール、マンドリン、バンジョーを使い分けます。
 "Where Did The Time Go"、Rustyひとりがアコースティックギター1本で静かに歌うこの曲にメドレー形式で続くのは、Paul,Georgeが加わり、ステージフロントに立つ3人のコーラスによるTimothy作"Keep On Tryin'"。さらにJackが加わった4人編成となっての"Crazy Love"。今回は彼らのステージでお馴染みの観客と一緒に歌うことはないものの、このヒットチューンまでは現在のPocoの柱とも言えるRustyのリードボーカルでさりげなくバンドを引っ張ります。
 続く"Pickin' Up The Pieces"からはRustyによって'Our founding father'と紹介されRichieが加わります。Richieの満面の笑みと"Denver George" Granthamの軽快なドラミングとともにリードボーカルをRichieと分け合うこの曲によって、会場内が'37年間'を一気に遡ります。Pocoの歴史を再びなぞるかのように、次はPaulで"Bad Weather"。サポートメンバーのTony Harrellによるアコーディオンは一味違ったアレンジを楽しませてくれます。
 序盤の「アコースティック・セット」を終え、ここから中盤の盛り上がりへつなげるかのように、1989年Poco再始動のエンジンともなった"Call It Love"がここでもライブの推進力となります。そして"Let's Dance Tonight"ではRichieの熱唱に加え、曲の終盤でのPaulのギターソロとRustyのラップスティールの掛け合いがスケール感のある演奏を聴かせてくれます。
 先ほどまでの熱の入った演奏から一転、Rustyのペダルスティールをフィーチャーした"Magnolia"をPaulが静かに歌って「箸休め」。一呼吸おいて続くのが、Richieが歌うJimの曲"You Better Think Twice”。ソロのショウでもRichieはこの曲を披露することがあり、聴き手の耳にもスムーズに入ります。
 "Spellbound"、"Indian Summer"と続く2曲は、70年代ウェストコーストロック・バンドスタイルともいえる、エレクトリックギターとアコースティックギターの織り成すサウンド。Richieがきざむアコースティックギターの音に、Paulのエレクトリックギター、そしてRustyのペダルスティールがしっとりと絡み、曲のまとまりの良さを感じさせます。
 終盤の盛り上がりにつなげるのは、もはやPoco初期の名曲といっても過言ではない"Kind Woman”。変わらぬ曲のイメージに円熟味が加わります。"Rose Of Cimarron"は、近年のライブで披露されているアレンジで始まり、RustyとPaul2人の絆のようなものを感じずにいられない演奏です。さらに"Ride The Country"ではRichieのアコースティックギター、Rustyのペダルスティールに加え、途中からRustyが奏でるバンジョーは、終盤にふさわしい曲の展開を見せます。
 そして誰もが最も期待した瞬間、"A Good Feelin' To Know"、ショウのハイライトは、誰もが認めるPocoの代表曲。Richieの脱退後はTimothyが、そして近年ではRustyとPaulが分け合って歌い継がれたこの曲は、再びRichieのヴォーカルで今回のライブ最大の輝きをみせます。
 退場したメンバーが再び姿を見せ、さらにオリジナルでもサックスをフィーチャーされていたゲストプレイヤーのPhil Kenzieが登場。かつて"NO NUKES"で披露したようにPhilのサックスとRustyのペダルスティールによるイントロでアンコール"Heart Of The Night"が始まります。
 ラストを飾るこの曲は、名残りを惜しむかのようにPaul,Rusty,Philの演奏がステージで繰り広げられ、ショウを締めくくります。(聞いた話では、この後さらにBill LloydやJohn Cowanなどが加わってChuck Berryの "Rock'n Roll Music"が演奏されたそうです。)
以上で本アルバムは幕を閉じます。
  "Deliverin'"、"Live"、"The Last Roundup"、そしてこの"Keeping the Legend Alive"オフィシャルなライヴ・アルバム4枚のなかで、それぞれにファンの思いはいろいろあって尽きないでしょうが、ライヴだからこそ感じることのできるそれぞれの「瞬間」を存分に味わって欲しいと思います。
(kaba_yan)



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