■ Pocoのディスコグラフィー



■ Indian Summer (1977)

Indian Summer

01. Indian Summer (Cotton) 04:40
02. Twenty Years (Cotton) 03:42
03. Me and You (Schmit) 02:44
04. Downfall (Young) 04:33
05. Win or Lose (Cotton) 04:40
06. Living in the Band (Cotton) 03:14
07. Stay (Night Until Noon) (Schmit, Schmit) 03:22
08. Find Out in Time3:54 (Schmit, Thompson) 03:54
09. The Dance: When the Dance Is Over/Go on and Dance/Never Gonna Stop (Young) 10:00
10. Go on and Dance (Young) 02:47
11. Never Gonna Stop/When the Dance Is over (Reprise) (Young) 04:30

■ アルバムレヴュー

  物事がどんなに上手くいっていても、必ず終わりは来る。4人体制で頑張ってきたPocoのように・・・。
サウンドはゴキゲンだった。メンバーの実力もお互いが認め合っていたし、フィーリングもグッド。でもビッグセールスだけには恵まれなかった。そんなとき、歴史的名盤を発表したEaglesから参加を要請されたTimothyの心中はどうだっただろう。Timothyは以前Pocoに参加する際も、古巣Gladを「本当につらい決断」の末に離脱している。バンドとはいえ個人事業、ファンとしては複雑な心境にもなるが、Eaglesへ移籍していったTimothyを誰が責めることが出来るだろうか。
 本作『Indian Summer』は4人体制が続いた最後の6枚目(通算12枚目)にあたるアルバムで、Timothy B.SchmitとGeorge Granthamにとって最後のアルバムになった(Georgeは後に復帰)。絶対の安定感と堅い結束で奏でてきた、カントリータッチのロックサウンドは、ここでひとまず区切りをつけることになる。
 プロデュースは前作同様Mark Harman。Paul Cottonが4曲、Rusty Youngが4曲、Timothy B.Schmitが3曲となっており、うちRustyの3曲は組曲となっている。サウンド的には基本的には前作の踏襲だが、幾分ロック調の曲が増えているのが今作の特徴だ。
 最初は表題作でもあるPaul作「Indian Summer」。穏やかな曲調で、アルバムトップには地味かと思わせる曲だが、あまりカントリー臭さを感じさせないスティールギターの使い方などは、この時代のポップミュ−ジックにも通用させるための、ひとつの実験だったのかもしれない。
 続く「Twenty Years」もPaul作。今作のPaulはロック色の強いナンバーが多く、それがアルバムを特徴付けてもいるのだが、Paulのギターはロック曲でも冴えわたっている。それと掛け合いとなっているRustyのリードスティールも素晴らしく、この二人のギターバトルには、もっと多くの時間を割り当てて欲しいと思うファンも多いはずだ。
 「Me And You」はTimothy作。生ギター1本で作ったのだろうな、と想像させるようなピュアな曲だ。最小限の楽器で、余計な音を排している。ここでのスティールギターの使い方もカントリーを感じさせない方法で効果を上げている。
 Paulに付き合ってかRustyも次曲「Downfall」ではロック色強いナンバーを披露。歪ませたギターサウンドのイントロだが、メロディに入るとこの人らしいポップ感覚が顔を出す。ここでも、エンディングではあるが、Paulのギタ−とRustyのスティールギターのバトルがある。すぐにフェイドアウトしてしまうのが、何とも残念である。バンドの看板になり得ると思うのだが・・・。
 「Win Or Lose」はPaul作。Rustyがペダルスティールにワウワウをかけたりして、コミカルなサウンドになっており、時折入るシンセサイザーも新味だ。曲調はシンプルなロックだが、他の収録曲とのバランスを考慮してこういうアレンジになったのかもしれない。これまでのPocoと一線を画するサウンドで、バンド内に新たなる方向性を見出そうとする萌芽と見ることも出来る。
 続く「Living In The Band」もPaul作によるストレートなロックチューン。バンドメンバーの出自を説明しながらバンドとしての意気込みを歌っていく内容となっており、メンバ−にとってはメモリアル的な作品になった。Paulは最新作『Running Horse』でもバンドの事を歌詞の題材としており、Richie Furayの『Legacy』収録曲「When It All Began」と合せて、Pocoは自分達の事を歌った歌を3曲持つバンドとなった。
  Timothy B.Schmitによる「Stay(Night Until Noon)」は彼らしいポップチューン。これまでの彼の作品はアコースティックギターの香りを残したアレンジが多かったが、今回はソリッドなエレキギターがサウンドのメインになっている。左チャンネルでバンジョーが鳴り響くのがPocoらしいところか。
 Timothyの曲が連続しての収録となる「Find Out In Time」はほのぼのとさせるハープのイントロの曲で、全体としてフォークの香りがする曲だ。アコースティックギターをメインにマンドリンが心地よくからみ、極上のハーモニーでつつまれたサウンドは、いつだって心に平安をもたらしてくれる。ギターソロの甘い音色も計算され尽くされた感じだ。
 ラストはRustyの'Dance'と名づけられた組曲で「When The Dance Is Over」「Go On And Dance」「Never Gonna Stop/When The Dance Is Over(Reprise)」の3曲からなる。Rustyが組曲を発表するのはおそらく初めてで、それだけにこのアルバムに対する気持も伝わってくる。この曲は、Paul,Timothy,Georgeがそれぞれにリードボーカルをとる場面もあり楽しめる。ラストの「Never Gonna Stop」は今までのPocoにはないサウンドで、ホ−ンセクションも入り黒っぽい仕上がりとなっている。最後は「When The Dance Is Over(Reprise)」でオーケストレーションやホーンセクションを起用し、感動的なエンディングを迎える。
 アルバム全体としては、今まで売りだったカントリーフレーバーは極力抑えられ、替わってハードなロックチューンが多くなってきている。Pocoは、このアルバムを最後にTimothyが去り、Georgeも一旦離脱する。唯一のオリジナルメンバーとなったRustyはPaulと共に、さまざまなミュージシャンをベース、ドラムスのパートに起用しながら、「二人灯台守」のようにPocoの名を守っていくことになる。そういう意味では、本来のバンドらしさがあったのは、このアルバムまでなのかもしれない。

(Good Company)



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