■ Pocoのディスコグラフィー



■ Live (1976)

Live

01. Medley : Blue Water / Fool's Gold / Rocky Mountain Breakdown (Cotton, Young) 06:36
02. Bad Weather (Cotton) 03:50
03. Ride the Country (Cotton) 07:41
04. Angel (Cotton) 05:14
05. High and Dry (Young) 04:35
06. Restrain (Schmit) 05:13
07. A Good Feelin' to Know (Furay) 05:12

■ アルバムレヴュー

 「Deliverin'」に続く2枚目のライブ・アルバム。そして4人組となっての初ライブでもある。
発売は1976年のことだが、録音は1974年11月9日のYale University, New Havenと28日のFine Arts Center, Milwaukeeそして29日のAmbassador Theatre, St. Louisの3ヶ所でこの月の1日に発売されたアルバム「Cantamos」にともなうツアーからだ。
 メンバーは
Paul Cotton : Guiter, Vocals
Rusty Young : Pedal steel guitar, Dobro, Lap Steel, Banjo
Timothy B. Schmit : Bass, Vocals
George Grantham : Drums, Vocals
 実際にこのアルバムが発売された時はPocoはすでにABCレコーズに移籍し、「Head Over Heels」を発売、「Rose Of Cimarron」の発売も目前という時期にあたる。
 「Cantamos」でアルバム契約を終了したPocoは「Cantamos」の特殊ジャケットの問題とビジネス・マネージャーのABCレコーズ社長就任をきっかけにEpicレコーズとの長い関係に終止符をうったのだが、その後、Epicレコーズは「Head Over Heels」を発売直後に「The Very Best Of Poco」を、そして「Rose Of Cimarron」の発売に合わせてこの「Live」を発売した。いうなれば便乗商法である。「Rose Of Cimarron」のセールスの邪魔をしたという見方もあるが、いずれにしろPocoが望んだリリースではない。
 しかしそれでもこのアルバムは魅力的だ。Fab Fourといわれる4人組の初のライブ・レコーディングだからである。選曲もよく演奏もいい。そしてコーラスの良さが充分に生かされたライブで、主としてPaulがリードを受け持ち、TimとGeorgeがバッキングするPocoならではのコーラス・ワークがたっぷりと味わえるのが嬉しい。さらにRustyがとにかく大活躍、ヴォーカルをやるのもいいが、やっぱりこのアルバムのようにDobroとPedal Steelがドーンとこないと。
 オープニングは「Crazy Eyes」からの"Blue Water"と"Fool's Gold"それに「Seven」からの"Rocky Mountain Breakdown"が続けてメドレーで演奏される。DobroとPedal Steelを弾き分け、"Fool's Gold"と"Rocky Mountain Breakdown"ではBanjoも弾くRusty大活躍のメドレー。
 今でも唄い続けられているPaulの名曲"Bad Weather"は「From The Inside」から。RustyのPedal Steelが実にいい味を出している。コーラスもたまらない!Pocoの真骨頂だ。
 "Ride The Country"もPaulの曲で「A Good Feelin' To Know」から。こういうハードなロック系の曲でもRustyのPedal Steelが入るだけで随分と特徴的なサウンドになる。Georgeのドラムが「Deliverin'」の時とでは別人のようだ。タメのきいたフィル・インとどっしりとしたグルーブがTimのベースと相まってうねりを作っている。
 「Seven」からの"Angel"もPaulの曲。アーシーな曲だが、またしてもRustyのPedal Steelがストリングス・パッドのようなサウンドを出したり、ハードなソロを披露したりといい味出しまくり。Paulのギターもブルージーだ。
 このアルバムで唯一の「Cantamos」からの曲。TimがGeorgeと息の合ったヴォーカルを聞かせ、Paulのギター・ソロへと繋ぐ。Paulの気合いの入ったソロに続いてRustyのPedal Steelによる例のオルガン・サウンドが登場する瞬間はまさにPocoな世界!
 お待ちかねTimをフィーチャーした"Restrain"は「A Good Feelin' To Know」から。Timのヴォーカルをたっぷりご堪能あれ。最近、メロー系ばかりなTimのパワフルな名唱が聞ける。PaulとRustyのプレイも極上でたまりませんが、GeorgeのTimとのハーモニーもたまりません。
 そして最後はお馴染み"A Good Feeling' To Know"。これはTimが唄っているという貴重なヴァージョン。やっぱりRichieでなきゃというのも納得できるがTimファンとしてはこれはこれでとてもいい。Paulのギター・ソロも光っている。
 Paulの加入によって変化したPocoサウンドだが、この「Live」と3年前の「Deliverin'」を聞き比べるとなかなか興味深いと思う。Richieがいないということや、JimとPaulの違いというだけでなく、70年代初頭のロック・シーンとも連動しているであろうこの変化は"Take It Easy"から"Hotel California"へと変化したThe Eaglesをある意味、先取りしたかのようだ。
 それとこの「Live」を聞くとRichieもJimもいないこの4人組がなぜFab Fourといわれる程人気を集めたのかがよくわかる。
 とにかくうまい!その演奏力、ヴォーカルとハーモニーの完璧さはもはや職人芸の域だし、アンサンブルやライブならではのアレンジもとてもツボをとらえている。
 Jim在籍時代もライブでのその演奏力には定評があり、本来ライブ・バンドとして力を発揮するPocoだが、このFab Fourの時がアンサンブルとしてメンバー全員が均等に力を出していて一番安定していた時期だったという事が改めて認識される。
Jim脱退時の「Deliverin'」、Epic最後の「Live」そしてABCラストの「Last Roundup」といつも節目にライブ・アルバムを作っていたPoco, このアルバムはそんな中でもFab Fourの完成形に至る直前の姿を捉えた貴重な記録だと思う。
 わたしがこのアルバムを偶然、お茶の水の輸入レコード店で見かけた時の驚きと喜びは今もこのアルバムを聞くたびに甦ってくる。リリース情報を知らなかったわたしはその場で腰が砕けた。そして裏ジャケに並ぶ4人のステージ写真を見てつぶやいた.....「George, 肩に筋肉ついた?」青春時代の思い出である。
(Nose Of Cimarron)



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